セミナーの形式は講義形式でなく,小グループの受講者参加型のワークショップとした.内容はできる限りEBMの全体像を提示できるよう心がけ,EBMを教える立場の人にとっても,学ぶ立場の人でも実のあるようにと,必要な資料は前もって発送し当日までの自習をお願いした.
当日は105名の参加があり,約80%が医師,15%が薬剤師,その他ジャーナリスト2名,医療消費者が1名であった.会場までの交通手段が不便であること,病院内の会場の位置もわかりにくいこともあり,定刻通りに開始できるかどうかずいぶん心配したが,大多数の参加者が十分な余裕を持って到着し,定刻びったりに開始することができまず一安心であった.JANCOC代表の津谷氏の開会の挨拶に引き続き早速セミナーの開始となった.
グループ毎の自己紹介の後,EBMの4つのステップ(疑問の定式化,情報収集,批判的吟味,患者への適用)毎に,ロールプレイなどをおりまぜながら,小グループによる討論,作業とレクチャーを繰り返すという形で進行した.10グループで同時進行ということもあり,グループによってはせっかく議論が高まってきたところでレクチャーに邪魔される,隣のグループの声がうるさくて自分のグループの声が聞こえないなどの問題が生じたが,おおむね予定通りに進行した.途中準備したはずの資料がない.準備し忘れた資料があるなど冷や汗をかきながらも,昼食を挟み約7時間のプログラムを無事終了することができた.
セミナーの進行中は,全体の段取りや自分のレクチャーの準備,さらに小グループでのチューターの補助という具合に自分自身もほとんど訳の分からない状況であったが,終わってみると検索方法や批判的吟味にとどまらず,患者に始まり患者に終わるというEBMの全体像を何とか提示できたのではないかと思っている.ただ逆に文献検索,批判的吟味の部分が中途半端になり,1日で全部の内容を網羅するのはなかなか困難であったというのが実感である.
セミナー前後のアンケートについては現在集計中であるが,参加者の反応は概ね良好で,第2回のセミナーヘ向けて準備を進めたいと思っている.第2回は今回のセミナーを十分反省し,さらに今回の参加者のネットワークを最大限に活用し,もう一段階ステップアップしたセミナーにしていきたい.
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