体外受精(IVF)と生殖子卵管内移植(GIFT)における下垂体脱感作のためのGnRHaの比較

Comparison of gonadotropin releasing hormone agonist (GnRHa) protocols for pituitary desensitization in in vitro fertilization (IVF) and gamete intrafallopian transfer (GIFT) cycles

Daya S

最終更新日:14/08/1998


目的:体外受精と生殖子卵管内移植における下垂体脱感作のための,短時間または超短時間GnRHaプロトコールと,長時間GnRHaプロトコールを比較したデータのシステマテイツク・レビューを行うこと.

検索方法:MEDLINEとENBASEデータベースオンライン検索,1982年から1998年の間のコクラン月経異常疾患と生殖能力低下グループの比較臨床試験特別レジスター,関連のある出版物や評論の参考文献のハンドサーチング,学会の抄録の検索.

選択基準:IVFまたはGIFTにおける短時間または超短時間GnRHaプロトコールと長時間(卵胞期または黄体期開始)GnRHaプロトコールのランダム化比較試験.

データ収集と解析:データは2x2表の形で抽出された.すべての試験の治療効果の同質性を確認した後,一次的アウトカムとして,治療サイクルあたりの臨床的妊娠,全体に共通したオッズ比,95%信頼区間つきのリスク差を計算した.以下のサブグループの比較が行われた.超短時間プロトコール対長時間プロトコール,短時間プロトコール対長時間プロトコール.これらの比較のおのおのにおいて,卵胞期開始の長時間プロトコールと黄体期開始の長時間プロトコールのサブグループを用いた.二次的アウトカムとして以下のものを取り上げた,卵母細胞回収あたりの妊娠,胚移植あたりの臨床的妊娠,自然流産,治療サイクルあたりの継続妊娠と分娩妊娠,使用したゴナドトロピンのアンプル数,回収された卵母細胞の数,受精率である.

主な結果:26の試験が選択基準をみたした.治療サイクルあたりの臨床的妊娠の共通オッズ比は,長時間プロトコールの方が1.32(95%CI,1.10-1.57)であった.長時間プロトコールにおいて,GnHRaが卵胞期に開始された(8試験)か,黄体期に開始された(16試験)かでサブグループに分けられた.オッズ比は,おのおの1.54(95%CI, 1.11-2.13 ),1.21(95%CI, 0.98-1.51)であった.超短時間プロトコールを用いた4つの試験を除いた後,長時間プロトコー ル対短時間プロトコールのオッズ比は1.27(95%CI, 1.04-1.56 )であった.長時間プロトコー ル対超短時間プロトコールの比較ではオッズ比は1.47(95%CI, 1.02-2.12)であった.

結論:治療サイクルあたりの臨床的妊娠率に基づけば,IVFやGIFTの際,短時間,超短時間プロトコールより長時間プロトコールの方が優れていることをこのメタ・アナリシスは示した.


Citation: Daya S. Comparison of gonadotropin releasing hormone agonist (GnRHa) protocols for pituitary desensitization in in vitro fertilization (IVF) and gamete intrafallopian transfer (GIFT) cycles. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:宮本英樹/岡山雅信)