低出生体重児における非経口栄養の進歩/迅速投与と緩徐投与の比較

Rapid vs. slow rate of advancement of feedings in parenterally fed low-birth-weight infants

Kennedy KA, Tyson JE

最終更新日:19/08/1998


目的:非経口栄養を受けている低出生体重児へ異なったadvancementの経腸栄養を投与した時に,耐用性と児の発達結果がどうなるか調べる

検索方法:検索にはMEDLINEとOxford Database of Perinatal TRIALが使われた.レビュー論文や教科書の該当章,以前のシステマティック・レビュー,最近のアメリカ小児科学会のSociety for Pediatric Research 要約集,個人のファイル,個人的伝聞も参考にした.

選択基準:ランダム化および準ランダム化試験のみを考慮に入れた.低出生体重児について行われており,異なったadvancementの栄養(異なった量あるいは濃度のいずれかによって完成されたもの)が同じ出生月齢の児群間で比較されている試験をとりあげた.

データ収集と解析:とりあげた試験については2人のレビュアーがコンセンサスを得た.臨床的な結果のデータは2人のレビュアーが独立して抽出,評価した.論文の著者には必要に応じてコンタクトをとり,不十分なデータを明確にすることができた.特定のデータについては,著者に記載してもらった.

主な結果:より速いadvancementの栄養を受けた群では,経腸栄養を投与される日数と出生体重に戻るまでの日数が減った.壊死性腸炎の発生率に差はなかった(RR=0.90, 95%CI=0.46,1.77).

結論:低出生体重児へより迅速なadvancementの栄養を投与することは利益がある.(経腸栄養を投与される日数と出生体重に戻るまでの日数が減る).このやり方がルーチンの日常臨床でも行われるべきかは,安全性(壊死性腸炎の発生率についてのCIが大きい)と入院日数への影響(CIが大きい)に関するデータが不十分なのでなんともいえない.各試験が異なった体重域および異なった割合の栄養を採用しているため,特に超低出生体重児には理想的なadvancementがどれくらいなのかは分からない.


Citation: Kennedy KA, Tyson JE. Rapid vs. slow rate of advancement of feedings in parenterally fed low-birth-weight infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:松本正俊/鶴岡浩樹)