分娩時除痛のための筋注オピオイドの種類

Types of intra-muscular opioids for maternal pain relief in labour

Elbourne D, Wiseman RA

最終更新日:09/07/1998


目的:分娩時に施される筋注オピオイドの効果を種類別,投与量別に決定する.

検索方法:レビューはコクラン妊娠と出産グループが総括して使用しているレビュー試験登録,すなわち回収された参考文献リストと単独に行ったコクラン比較臨床試験レジスターの検索という,コクラン妊娠と出産グループの比較臨床試験特別レジスターによって開発された検索方法を参考にした.

選択基準:結果的に胎児や新生児にもかかってしまうのだが,実際に母体への全身麻酔を希望した産婦に施された筋注オピオイドの種類別,投与量別に比較されたランダム化比較試験はすべて受け入れた.

データ収集と解析:データはそれぞれの著者により個々にそれぞれの刊行物から抽出された.それぞれの研究において,バイアスの見込み,調査母集団,介入,結果は系統的に抽出された.分析はReview Manager(RevMan)(Update Software Oxford, UK)を使ってintention to treat解析した.二値データ,相対危険度は固定効果モデル(有意に不均一ではないと規定された)で計算した.連続したデータに対し,加重平均差を計算し,95%信頼区間を求めた.

主な結果:16の試験があったが,様々なアウトカムがあり結果の一致不足が報告された.またいくつかの研究で方法論的質のうえで問題があった.トラマドール,メプタジノール,ペンタゾシンにおいてペチジンを超える納得いくエビデンスはなかった.

結論:現時点(少なくとも英国では)ペチジンは良く知られている上に低価格という長所を持っている.また助産婦が医師の処方なしで投与できる唯一のオピオイドである.しかし考慮すべきいくつかの疑問がある.それ自身の分娩時除痛の効果,母体,胎児,新生児への副作用の可能性,今までのところはこのレビューにおいて他のオピオイドを使用を考慮すべき納得のいくリサーチエビデンスはない.分娩時に筋注オピオイドを受けた女性の数を増やし,よい研究デザインで適切なサイズのペチジン 対 主な他の手段の試験を行い,母体や赤ちゃんのために本質的な結果を考慮することが強く望まれる.


Citation: Elbourne D, Wiseman RA. Types of intra-muscular opioids for maternal pain relief in labour. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:濱崎圭三/鶴岡浩樹)