新生児における外用軟化剤の予防的な使用

Prophylactic application of emollient ointment in preterm infants

Soll RF, Edwards WH

最終更新日:22/05/1998


目的:新生児における外用軟化剤の予防的な使用の効果を評価する.

検索方法:検索は,Oxford Databese of Perinatal Trials,MEDLINE(MeSH term:ointment;limits:age groups,newborn infant;publication types,clinical trial),リファレンスにわたり含まれる既出のレビュー,抄録,カンファレンスとシンポジウム,専門家の情報,さらに英語で書かれた学術誌のハンドサーチで行われた.

選択基準:「日常的な看護での外用軟化剤の予防的な使用あるいは新生児において必要な局所的治療」としての効果を比較するランダム化比較試験が,このレビューに含まれる.

データ収集と解析:経皮的なの水分喪失,皮膚条件,水分摂取,感染症の疑い,証明された院内感染を含む臨床結果とみなすデータは,論評者によって臨床的試行のレポートから抜粋された.

データ分析は,コクラン新生児レビューグループの標準と一致して行われた.

主な結果:「日常的な看護での外用軟化剤の予防的な使用あるいは新生児において必要な局所的治療」と日常的皮膚看護あるいは必要な局所的軟膏治療として軟膏の予防的な使用を比較した二つのランダム化試行が確認された.Lane(1993)は,外用軟化剤の局所的使用を受けた乳児において改善した皮膚状態を記述した.Nopperと共同研究者(1996)の研究において,軟膏の予防的な使用は,最初の使用後の6時間のあいだ経皮的なの水分喪失を有意に減少させた.皮膚状態は最初の1-2週間のあいだ改善されると記述された.サーベイランス培養が,2週間の研究のあいだ細菌のコロニー形成をより少なくすることを証明した.疑われた感染と証明された感染における有意な減少が記述された.より少数の乳児は,軟膏の予防的な使用を受けたグループの中で敗血症と評価された(相対危険0.50,95%CI 0.27,0.93;危険差-0.30,95%CI -0.54,-0.06).

両方の研究は,証明された院内感染の発生率について報告した.証明された院内感染の危険の減少に向かう傾向は,外用軟化剤の予防的な使用を受けた乳児において記述された(典型的相対危険0.29,95%CI 0.07,1.16;典型的危険差-0.13,95%CI -0.25,-0.01).

結論:二つの小規模の研究において,外用軟化剤の予防的な使用は,経皮的な水分喪失を減少させ,皮膚炎の重症度を減少させ,疑わしい敗血症と証明された敗血症の危険を減少させた.更に行われた,臨床的研究はこれらの結果を有効なものとすることを保証した.


Citation: Soll RF, Edwards WH. Prophylactic application of emollient ointment in preterm infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:安西邦男/加藤太一 )