慢性肺疾患の早期産児における生後副腎皮質ステロイド治療;後期治療(3週以上)

Postnatal corticosteroids in preterm infants with chronic lung disease : Late treatment ( > 3 weeks)

Halliday HL

最終更新日:26/01/1998


目的:出生後または後期の副腎皮質ステロイド治療が,早期産児の慢性肺疾患の治療に有効であるかどうかを判定する.

検索方法:出生後の副腎皮質ステロイド治療のランダム化比較試験は,Oxford Database of Perinatal trials,小児科学・周産期学雑誌,それらのレビュー論文,臨床新生児科医からの情報により得られた.

選択基準:CLDを発症した早期産児に,生後3週間以後に副腎皮質ステロイド治療を実施したランダム化比較試験がこのレビューに選ばれた.

データ収集と解析:退院前死亡率,抜管困難,感染症,高血糖,高血圧,重篤なROP,NEC,消化管出血,腸穿孔,頭部エコーの異常,在宅酸素療法と,尿糖,後期のデキサメタゾンによるレスキューの必要性などを含む臨床的アウトカムに関するデータが抽出されRevman3.0を使って分析された.

主な結果:生後後期のステロイド療法は死亡率になんの影響ももたらさない.唯一の利点的影響は28日目までの抜管の失敗の減少とデキサメタゾンによるレスキューの必要性が少なくなったことである.感染,NEC,重篤なROP,消化管出血,頭部のエコーの異常のリスクの増加はなかった.副作用には高血糖,尿糖,高血圧が含まれた.

結論:生後後期の副腎皮質ステロイド療法の有効性は実際のあるいは潜在的副作用に優るとは言えないだろう.副腎皮質ステロイドは人工呼吸管理から離脱できない新生児のためにとっておきべきものである.


Citation: Halliday HL. Postnatal corticosteroids in preterm infants with chronic lung disease : Late treatment ( > 3 weeks). In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:大西優里/anonymous、岡田 隆)