早期産児の慢性肺疾患予防のための出生後の副腎皮質ステロイド:

中期(7-14日)

Postnatal corticosteroids for prevention of chronic lung disease in the preterm infant : Moderately early treatment (7-14 days)

Halliday HL

最終更新日:23/01/1998


目的:生後中期の副腎皮質ステロイドが早期産児の慢性肺疾患の予防および/又は治療に有効であるかどうか決定すること.

検索方法:出生後の副腎皮質ステロイド治療のランダム化比較試験は,Oxford Database of Perinatal trials,小児科学・周産期学雑誌,それらのレビュー論文,臨床新生児科医からの情報により得られた.

選択基準:ハイリスクの早期産児における,生後7-14日の副腎皮質ステロイド治療のRCTがこのレビューのために選ばれた.吸入ステロイドの試験は,含まれなかった.

データ収集と解析:生後28日および退院前の死亡率,抜管困難,日齢28日および/またはCLD,日数28日および修正36週時点でのCLD,感染,高血糖,高血圧,重度未熟児網膜症,エアリーク,NEC,消化管出血,重度脳室内出血,左室肥大,大腸穿孔,後期のデキサメタゾンによるレスキュー,といった点に関するデータが使っているRevman 3.0を利用し,抽出,分析された.

主な結果:中期のステロイド治療は,CLDのない生存率を増加させ,CLDのリスクも軽減するが,新生児の死亡率を有意に低下させるわけではない.ステロイド治療群には,死亡率の低い傾向がある.より早く抜管が可能となる.副作用には高血圧,左室肥大,および高血圧と消化管出血の発症率を増加に向かわせる傾向を含んでいた.ステロイド治療を受けた新生児は,後期のデキサメタゾンによるレスキューを必要とすることがより少ないようであった.

結論:人工呼吸下にある新生児に対して,生後中期(7-14日)の副腎皮質ステロイド治療がルーチンにすすめられるようになるまでには,まだまだ多くの研究が必要である.副腎皮質ステロイドを生後中期に使用する指針や,早期または後期に使用する指針とを直接に比較することが要求されている.


Citation: Halliday HL. Postnatal corticosteroids for prevention of chronic lung disease in the preterm infant : Moderately early treatment (7-14 days). In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:中村和宏/anonymous、岡田 隆)