妊娠中の腰痛の予防と治療

Prevention of, and treatment for, backache in pregnancy

Young G, Jewell D

最終更新日:16/04/1998


目的:妊娠中の腰痛の予防と治療について評価する.

検索方法:すべてコクラン妊娠と出産グループの方法に基づいた.

選択基準:妊娠中の腰痛の発生率や重症度を軽減するためのあらゆる治療のランダム化試験すべて.妊娠中に生じる腰痛を予防するためのあらゆる方法のランダム化試験すべて.

データ収集と解析:試験の質の独立した評価を行ったレヴュアーと,レビューに含まれているデータを独立して抽出した両方のレヴュアーによって試験は分析された.

主な結果:基準に該当する研究は1つだけ見つかった[Thomas 1989].これは女性の腹部の下に沿うようにした特別な形の枕(Ozzlo枕)と普通の枕を比較したものである.このクロスオーバー試験において普通の枕を1週間使うよりもOzzlo枕を使うほうが痛みを感じなかった.この試験に参加した109人の女性のうち,92人だけが2週間の観察を完了した.このレビューから得られた結果は92人からのものである.(試験から脱落した17人の女性は2週間の研究の間に分娩したか,観察を十分に記録し損ねたかのどちらかである.それらの排除は結果に本質的な差をもたらさない.)Ozzlo枕では中等度またはよい評価が57人から得られ,普通の枕では31人だった(オッズ比(0R) 0.37).睡眠時に中等度またはよい助けになることがOzzlo枕では63人から得られ,普通の枕では39人だった.

結論:特別な形の枕は妊娠後期に腰痛で悩む女性に薦められる.妊娠時の腰痛を対象とした研究はほとんどなされていない.しかし,女性にとっては共通で,特に夜間しばしば悩まされることである.妊娠時の腰痛を避けたり軽減したりする方法のさらなる研究が待たれる.


Citation: Young G, Jewell D. Prevention of, and treatment for, backache in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:糸目千穂/岡田慶子、岡田 隆)