低出生体重新生児における腹部皮膚温36℃の自動制御

Servo-control of abdominal skin temperature at 36C in low birth weight infants

Sinclair JC

最終更新日:30/12/1997


目的:低出生体重児において,保育器の保温をコントロールする目標として,空気温よりも体温を指標にすることの死亡に対する影響,その他の重大な臨床的結果を評価すること.

検索方法:コクラン新生児レビューグループの標準的調査方法.

選択基準:体温をもとに保育器の温度を自動制御したものの効果を,一定の保育器気温に設定した場合と比較したランダム化または準ランダム化試験

データ収集と解析:試験の方法論的質は系統的に評価された.結果の評価には,死亡,死亡時期,死亡原因やその他の臨床的結果が含まれた.明確な結果は,相対危険度や危険度差を用いて解析された.メタ・アナリシスは固定した効果モデルを使った.

主な結果:低出生体重児では,31.8℃に一定した保育器気温と比べて,36℃の腹部皮膚温に自動制御した方が新生児死亡が減少する: 相対危険度0.72(95%CI 0.54, 0.97),危険度差-12.7%(95%CI -1.6, -23.9).この効果は,超低出生体重児でさらに大きい.

結論:出生後少なくとも最初の1週間は,低出生体重児は,温熱中間点近くに注意深く制御された温度環境で育てられなければならない.保育器の低出生体重児にとって,このことは,保育器気温を自動制御または頻回の手動調節にて,ともかくも36℃の前腹部皮膚温を維持する保育器温に調整することで達成され得る.


Citation: Sinclair JC. Servo-control of abdominal skin temperature at 36C in low birth weight infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:矢野利枝/佐藤孝道)