早期産児の無呼吸に対する持続陽圧呼吸法(CPAP)とテオフィリンの比較

Continuous positive airway pressure versus thephylline for apnea in preterm infants

Henderson-Smart DJ, Subramanian P, Davis PG

最終更新日:03/12/1997


目的:主な目的は,早期産児の反復する無呼吸に対して,テオフィリン治療に比べてCPAP治療が,臨床的に重大な副作用なしで,臨床的に重要なほど無呼吸や人工換気の使用が減少するか否か決定することであった.

検索方法:コクラン新生児レビューグループの標準的な調査方法が用いられた.周産期試験のオックスフォード・データベース,コクラン比較臨床試験レジスター,MEDLINE,参照を含めた以前のレビュー,抄録,学会,議事録,専門家の情報,主に英語のハンドサーチした雑誌を調査した.

選択基準:早期産児の臨床的に反復する無呼吸/徐脈についてCPAPとテオフィリンを比較した,ランダムまたは準ランダム割付けを用いたすべての試験が候補となった.

データ収集と解析:データは,コクラン共同計画とコクラン新生児レビューグループの標準的な方法を用いて抽出され,試験の質やデータの除外は各著者が別々に評価し,データの合成には相対危険度を使用した.

主な結果:マスクCPAPの使用は,無呼吸の減少が50%未満であったり,他の治療が必要になるような治療の失敗率がより高いことと関係している[RR 2.89(95%CI 1.12, 7.47); RD 0.42(95%CI 0.11, 0.74)].テオフィリンよりむしろマスクCPAPを使うことで,2.4人(95%CI 1.4, 9.5)に1人の新生児は治療失敗となる.マスクCPAP群ではIPPVの使用がより多い[RR 3.09(1.42,6.24); RD 0.58(95%CI 0.30, 0.86).テオフィリンよりむしろマスクCPAPを使うことで,1.7人(95%CI 1.2, 3.3)に1人の新生児はIPPVのために挿管となる.

マスクCPAP群では,最初の1年間での死亡が増える傾向にあったが,死亡や,生存した新生児の中での経過観察中の大きな障害は有意差があるほどではない.生存した新生児での経過観察中での壊死性腸炎や大きな障害の率に有意差はない.

結論:無呼吸のある早期産児においてテオフィリンはマスクCPAPに比べて効果が高かった.このレビューの結果をみると,マスクで投与される限りは,CPAPは,通用している臨床診療としての重要性に限界がある.無呼吸の早期産児の利点,欠点のさらなる評価は,CPAPを最近の方法によって行った今後の試験が必要である.


Citation: Henderson-Smart DJ, Subramanian P, Davis PG. Continuous positive airway pressure versus thephylline for apnea in preterm infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:矢野利枝/佐藤孝道)