分娩中の'胎児仮死'に対する手術治療と保存治療の比較

'Fetal distress' in labour managed operatively versus conservatively

Hofmeyr GJ

最終更新日:09/11/1997


目的:胎児仮死疑いの場合に手術治療をすることの母体または周産期の罹病率,死亡率への影響を,最も役立つエビデンスによって決定すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより維持更新された臨床試験のレジスター.コクラン比較臨床試験レジスターの定期的検索.

選択基準:胎児仮死疑いの治療として手術方針と保存的方針を比較した受け入れられる比較試験.

データ収集と解析:試験の結果を考慮せずに,組み込もうと考えている試験の方法論的質と組み込みの適性を評価した.組み込まれた試験のデータは,以下の記述のごとくに処理された: Mulrow CD, Oxman AD(編集者),コクラン共同研究ハンドブック[1997年3月1日更新]: コクランライブラリ[diskとCDROMのデータベース],コクラン共同研究.Oxford: Update Software: 1996年-.更新年4回.

主な結果:実際の手術分娩の率には,きわだった違いがある:全体では,手術の方針61%対保存的方針20%,帝王切開分娩は28%対7%,手術的経腟分娩は33%対13%であった.保存治療群での手術分娩は,胎児仮死単独よりも,児頭骨盤不均衡や子宮内感染,子癇前症のような他の理由で行われた.

各群間の周産期死亡率は相違がなかった(手術群 14/174 対 保存群 12/176; 相対危険度 1.18,95%信頼区間 0.56-2.48).

結論:Walkerの1959年の試験の結論は現在の産科診療に直接適応できないが,ランダム化した評価がなされずに受け入れられた診療となっている胎児仮死疑いの介入した方針に,疑問視をする理由になる.

最新の産科設備のない状況下の仕事に対して,この最新の状況で,羊水混濁や胎児心拍変化に対して手術分娩の方針とすることにより手術分娩はかなり増加したが,周産期死亡率は減少しないことを気をとめることは有益である.

現在の方法による胎児仮死の診断の'灰色域'で手術治療か保存治療かを比較するためには,かなり広い範囲が必要である.


Citation: Hofmeyr GJ. 'Fetal distress' in labour managed operatively versus conservatively. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:池田扶実子/佐藤孝道)