正常妊娠における腹壁減圧法の予防的使用

目的：予防的な腹壁減圧法の，子癇前症の入院，胎児発育，周産期の罹患率と死亡率，小児期の発達に関しての影響を最も有用なエビデンスから決定すること．

検索方法：コクラン妊娠と出産グループによって維持更新された臨床試験のレジスター．コクラン比較臨床試験レジスターの定期的な調査もまた行われた．

選択基準：組み込み基準は以下の通りであった:健康な妊婦での腹壁減圧法の効果を比較する臨床試験．適切な盲検での治療群とコントロール群とのランダム割付け．割付けの管理違反は結果に実質的に影響を与えないこと．臨床的に意味のある結果の測定が報告されていること．観察者のバイアスが最小であるような正当な測定．プロトコール違反を除外しても，ランダム割付けに従った分析として有用なデータ．分析に適した形のデータ．

データ収集と解析：考慮中の試験について方法論的質や組み込みの適性を，結果を考えずに評価した．組み込まれた試験データは，以下の中に記述されたように，処理された: Mulrow CD, Oxman AD(編集者)，コクラン共同研究ハンドブック[1997年3月1日更新]: コクランライブラリ[diskとCDROMのデータベース]，コクラン共同研究．Oxford: Update Software: 1996年-．更新年4回．

主な結果：Methews 1968年によると腹壁減圧法を行わないよりも行った方が，少し，統計学的に有意でないが，20陣痛後の頭皮pHが上昇する(平均値 +0.05 対 +0.01)．

残りの研究からのデータでは，以下のパラメーターで腹壁減圧群とコントロール群で差はみられない: 子癇前症のための入院，低出生体重，1分後のアブガスコア4点未満．周産期死亡率は減少しなかった．実際には，減圧群でやや死亡が多かったが，これは偶然に起こったことかもしれない．小児期の発達の評価は統計学的に差はなかった．

結論：正常妊娠における腹壁減圧法の使用を支持するエビデンスはないが，分娩中の使用について，さらなる研究をする価値はあるかもしれない．

腹壁減圧法のさらなる研究は，正常妊娠中ではなく，何らかの合併症妊娠や分娩中の使用に向けられるべきである．

Citation: Hofmeyr GJ. Abdominal decompression used prophylactically in normal pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.