子宮内膜癌のプロゲスターゲン療法

Progestagen therapy for endometrial cancer

Martin-Hirsch P L, Jarvis G, Kitchener H, Lilford R

最終更新日:25/11/1997


目的:子宮内膜癌の治療における術後のプロゲスターゲン療法の有効性を評価すること.

検索方法:コンピュータによるMEDLINEの検索と手作業による文献検索を行い,子宮内膜癌術後のプロゲスターゲン療法の有無に関するランダム化試験をすべて確認した.

選択基準:研究:ランダム化または準ランダム化試験であること.対象:子宮内膜癌手術を受けた女性.方法:プロゲスターゲン療法の有無.結果:死亡,再発,併発症.

データ収集と解析:データは2人の判定者が別々に抽出し,相違点があれば議論して解決した.

主な結果:子宮体癌の治療におけるプロゲスターゲン療法の有無を比較した5つのランダム化比較試験からは,プロゲスターゲン療法は全体的な生存率を改善させず,むしろ有害に作用した可能性さえあることが示された.さらにプロゲスターゲン療法と子宮体癌による再発,死亡の減少との関連はなかった.

結論:子宮体癌の初回治療におけるプロゲスターゲン療法の使用を支持する証拠は現在のところない.


Citation: Martin-Hirsch P L, Jarvis G, Kitchener H, Lilford R. Progestagen therapy for endometrial cancer. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:矢野利枝/佐藤孝道)