子宮内膜症の疼痛症状の治療のための最近の混合経口避妊薬

Modern combined oral contraceptives for the treatment of painful symptoms associated with endometriosis.

Moore J, Kennedy S, Prentice A.

最終更新日:08/08/1997


目的:このレビューの目的は子宮内膜症のよる疼痛症状に対する治療としての最近の経口避妊薬の効果を確立することである.

検索方法:症状のある子宮内膜症の治療に経口避妊薬を投与するというすべてのランダム化試験をさがすためにコクラン月経異常疾患グループの検索方法を用いた.加えて,製薬会社にアプローチし,CCTRの検索を行った.

選択基準:手術で確定診断した子宮内膜症の症状のある出産可能な年齢の女性の治療に経口避妊薬を用いたすべてのランダム化比較試験が含まれた.

データ収集と解析:研究の質の評価とデータの抽出は二人の判定者によって別々に行われた.判定者の一人はこの研究の専門家である.

主な結果:基準を満たす研究は一つのみであった.通常の投与法での経口避妊薬はGnRHアナログに比べて月経困難症に有用ではなかった.性交痛と非月経時の疼痛に対しては経口避妊薬とGnRHアナログの両者に有意差は見られなかった.GnRHアナログ投与に比べて経口避妊薬投与で,頭痛と体重増加が多くみられ,顔面紅潮,不眠,膣乾燥感は少なかった.

結論:症状のある子宮内膜症の治療に対する経口避妊薬使用のデータはわずかであった.このデータでは一般診療にて経口避妊薬を第一選択として使用することを支持するが,子宮内膜症治療における効果についてさらなる研究が必要である.


Citation: Moore J, Kennedy S, Prentice A.. Modern combined oral contraceptives for the treatment of painful symptoms associated with endometriosis.. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:日野村 靖/佐藤孝道)