禁煙のためのグループ行動治療プログラム

Group behaviour therapy programmes for smoking cessation

Stead LF, Lancaster T

最終更新日:22/05/1998


目的:禁煙プログラムは,広く役立てられており,喫煙者のグループは,行動技術を学ぶ機会と禁煙に対する相互支援の利益をうけている.このレビューの目的はグループ構成で行われた禁煙プログラムの,喫煙者が長期間禁煙を達成することへの手助けとしての有効性を判定することである.

検索方法:コクランタバコ嗜癖グループの比較臨床試験特別レジスターが,行動療法,グループ療法もしくは認知療法の1つもしくはそれ以上の治療方法を用いた研究を同定するために使われた.

選択基準:グループ療法と自立したもの,個人のカウンセリングを受けているもの,他の介入もしくは通常のケアもしくは用意したコントロールリストとを比較しているランダム化試験が選ばれた.グループ相互作用の操作と社会的支援構成を二つのグループプログラムで比較した研究もまた含まれる.二つのグループの集会は最小とし,喫煙状態のフォローアップはプログラム開始後少なくとも6ヶ月とした.グループ療法の研究において ,活動的治療と薬物療法の研究であるプラセボの両方が行われたものは,それらのデザインにかかわらず含めなかった.

データ収集と解析:抽出されたアウトカムの基準は可能な限りの生化学的確証と禁煙の最も厳しい定義を用いて最大限のフォローアップをした時点での成功者の数である.フォローアップできなかった参加者はまだ喫煙しているものと分類された.メタ・アナリシスは固定効果モデルを使って行われた.

主な結果:10の研究が同じもしくは同様の情報と行動技術を与えたグループプログラムと自立プログラムを比較した.グループプログラムを使った方が禁煙の増加がみられた(OR 2.10 95%CI 1.64-2.70).個人よりむしろ職場のほうが,ランダム化したの研究であろうとなかろうと,そしてテレビ放送の禁煙プログラムのキャンペーン中に行われた研究を含もうと,効果と意義の方向性は強靱であった.2つの試験からはグループ治療の方が同様の個人カウンセリングや流行的な個人療法より効果的という証拠は見つからなかった.内科医から助言,もしくは看護婦から助言を受けたグループ治療の比較では,結果の中に異種性があり,効果に対して証拠は見つからなかった.グループプログラムは干渉無しもしくは最小の接触介入のものより効果的である(OR 1.91 95%CI 1.20-3.04).グループプログラムの参加者間の社会的相互作用を操作することがアウトカムに影響するという証拠はなかった.

結論:自立より,そして他の強力な介入がないものよりグループの方がいいことは当然の証拠であるが,強力な個人カウンセリングと比較した有効性の証拠は十分ではない.禁煙する動機づけられた消費者の観点からみれば,もし利用できるならばグループに加入することはおそらく価値がある−そうすることで禁煙の可能性は増えるだろう.公衆衛生の展望からは,理解力の低さから,グループは実質上,影響力になる見込みはない.


Citation: Stead LF, Lancaster T. Group behaviour therapy programmes for smoking cessation. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:大西優里/大野茂樹)