ペストに対するワクチン

Vaccines against plague

Jefferson T, Demicheli V, Pratt M

最終更新日:19/11/1997


目的:ペストに対するワクチンの安全性と効果を評価する. 

検索方法:MEDLINE,EMBASEをコクランの標準的な検索式で検索し,その他Cochrane Library,"vaccine"のハンドサーチ,得た文献の参考文献,著者,研究者,製薬会社との連絡を使い収集した.                                     

選択基準:ペストの生ワクチン,不活化ワクチンで,無処置のものやプラセボ,他の伝染病ワクチンまたは,他の病気のワクチン(対照ワクチン)とを比較したオリジナルのランダム化比較試験.

データ収集と解析:回収された研究で,基準を満たすものはなかったので,質の評価も,データ収集もできなかった.

主な結果:私たちは,20の回収された研究を確認したが,基準を満たすものはなかった.     

結論:ペストのワクチンの有効性と毒性についての試験的な証拠は不十分であった.観察に基づく研究は以下の疑問が研究をするだけの価値があるかもしれないということを示唆している.弱毒化ワクチンによって,局所的,全身的な高度の副作用が発現するということは,ランダム化された比較により裏付けられるか.噴霧による弱毒化ワクチンは免疫力が弱いのか.無毒化ワクチンは弱毒化ワクチンよりも免疫力が強いのか.無毒化ワクチンは,弱毒化ワクチンよりも副作用が少ないのか.


Citation: Jefferson T, Demicheli V, Pratt M. Vaccines against plague. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:池田扶実子/吉村 学,鶴岡優子)