炭疽ワクチン

Anthrax vaccines

Jefferson T, Demicheli V, Deeks J, Graves P, Pratt M, Rivetti D

最終更新日:24/11/1997


目的:人間炭疽に対するワクチンの有効性や安全性を,病気の発生率や副作用に関して評価すること.

検索方法:MEDLINEやEMBASEを,コクラン感染症グループの検索方法を使って調べる.CCTR,"Vaccine"でのハンドサーチ,検索した研究 の参考文献,研究者とのやりとりから収集した.

選択基準:無処置,プラセボ又他の病気に対するワクチン(コントロールワクチン)と,炭疽ワクチンとを比較した,すべてのオリジナルの前向きのランダム化比較試験・準ランダム化比較試験.

データ収集と解析:レビューで含まれた研究の母集団の監視の中で観察された,予防接種によって回避された炭疽の症例の数.副作用の件数や内容は全身症状(倦怠,悪心,熱,関節痛,皮疹,頭痛)又局所的(封入の場所の硬化や痛み)に分類された.

主な結果:2つの研究は包含基準に合った.追求する期間の平均は21か月だった.レポートした研究の質は良くなかった.全体の有効性や安全性の推定は治療を支持する(全体のオッズ比0.18, 95%CI(0.10〜0.34)).

結論:Burgasavの試験では投与の方法でのワクチンの効果の違いは見られなかった.Brachmanの試験では,almu-based vaccineより死菌ワクチンの方で副作用の頻度と重症度が有意に高かった(オッズ比8.04, 95%CI(2.38〜27.17)).


Citation: Jefferson T, Demicheli V, Deeks J, Graves P, Pratt M, Rivetti D. Anthrax vaccines. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:矢野利枝/吉村 学,村上智彦)