慢性関節リウマチ(RA):RAにおけるスルファサラジン対プラセボ

Rheumatoid Arthritis (RA): Sulfasalazine Versus Placebo in RA

Suarez-Almazor ME, Belseck E, Shea B, Wells G, Tugwell P

最終更新日:30/11/1997


目的:スルファサラジンの慢性関節リウマチ(RA)の治療に対する短期間効果とその毒性を決定する.

検索方法:電子的文献検索はMEDLINEとEMBASEを使って行われた.その後電子的検索から得られた試験の参考文献リストをハンドサーチした.

選択基準:RA患者に対するスルファサラジンとプラセボを比較しているすべてのランダム化比較試験(RCTs)と比較臨床試験(CCTs).

データ収集と解析:試験の方法論的品質はハダードスコアを使用して検討した.慢性関節リウマチの測定は6ヶ月をエンドポイントとし出版物から抽出された.関節数,痛みおよび総合評価は標準平均差(SMDs)を使用して集積分析を行なった.ESRは加重平均差(WMDs)を使用した.毒性は脱落に対する共同オッズ比によって検討された.カイ二乗試験は試験間の不均一性を検討するのに使用された.終始固定効果モデルを使用した.

主な結果:スルファサラジンは統計学的に関節の疼痛と腫脹の計数,痛み,ESRについてプラセボと比較して統計学的に有意であった.治療群とプラセボ群の標準加重平均差は関節の疼痛と腫脹の計数では -0.49であり,痛みでは -0.42であった.ESRの差は-17.6mmだった.副作用による脱落者はスルファサラジン群で有意に高かった(OR=3.0).プラセボ群の患者の脱落はスルファサラジン群の患者より有効性の欠如から治療を続けられないため4倍以上になった.

結論:スルファサラジンはRA患者の病勢に対して治療上も統計学上も有意な利点を持っているようである.健康の現状全体や放射線医学の進歩については今回はその効果がはっきりとはしなかった,しかし,徐々には現れてくるであろう.


Citation: Suarez-Almazor ME, Belseck E, Shea B, Wells G, Tugwell P. Rheumatoid Arthritis (RA): Sulfasalazine Versus Placebo in RA. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:谷本省三/中村英治,濱崎圭三)