慢性関節リウマチ(RA):RA治療に対するメソトレキセート対プラセボ

Rheumatoid Arthritis (RA): Methotrexate Versus Placebo in the treatment of RA

Suarez-Almazor ME, Belseck E, Shea B, Wells G, Tugwell P

最終更新日:30/11/1997


目的:慢性関節リウマチの治療におけるメソトレキセート(MTX)の短期的効果と毒性を評価すること.

検索方法:電子的な文献探索はMEDLINEとEMBASEを使って行われ,その後それによって得られた引用文献からハンドサーチで検索した.

選択基準:RA患者におけるMTXとプラセボを比較したランダム化比較試験(RCTs)と比較臨床試験(CCTs).

データ収集と解析:RCTsとCCTsの方法論的質は有効な基準(Jadad 1996)を使って評価された.リウマチの評価方法は出版物から抜粋した.集積分析は関節数,痛み,総体的,機能的評価に対する標準偏差(SMDs)を使って行われた.加重平均差(WMDs)はESRに関し使用した.毒性は研究からの脱落に対するピートのオッズ比によって評価された.試験の不均一性を評価するためにカイ二乗検定が使われた.固定効果モデルが終わりまで使用され,ランダム効果モデルは不均一性を示すために使用された.

主な結果:統計学的に有意な効果がプラセボと比較してMTXに対して得られた.統計学的に有意な差がESRを除くすべての尺度で得られた.MTXとプラセボ間の様々なアウトカムにおける標準加重差(効果側)は-0.43と-1.5の間で変化した.研究からの脱落の総数には差は得られなかった(OR=0.95),しかし,MTXの患者は副作用のための研究からの脱落が多い傾向にあり(OR=3.47)治療効果の欠如による研究からの脱落が少ない傾向にあった(OR=0.22).

結論:RAの患者に対する短期間治療においてMTXは臨床的にも統計学的にも十分な効果を持っている.


Citation: Suarez-Almazor ME, Belseck E, Shea B, Wells G, Tugwell P. Rheumatoid Arthritis (RA): Methotrexate Versus Placebo in the treatment of RA. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:谷本省三/渡邊次夫,小林正人)