進行性全身性硬化症(SS)のレイノー現象(RP)の治療に関するプラセボに対するシクロフェニル

目的：このレビューの目的は，強皮症のレイノー現象の治療におけるプラセボに対する，シクロフェニルの有効性と毒性の決定であった．

検索方法：主なデータ情報源は，Dickersinおよびその他(1994)によって開発されたコクラン共同計画の検索方法が使用した1966年から1996年までのMEDLINEに含まれていた．含まれるキーワード；レイノー現象あるいは血管痙攣，強皮症，進行性全身性硬化症，結合組織病，自己免疫疾患．現在の内容は，1997.4.7まで調査された．コクラン・ライブラリーの一部のコクラン比較臨床試験レジスターもまた調査された．すべての参考文献，あるいは検索された論文は調査された．そして主要な著者に，出版されたものと出版されてない研究に関しより一層の情報を得るために連絡がとられた．

選択基準：シクロフェニルのプラセボ対照のすべてのランダム化比較試験は，試験の中で臨床的なアウトカムが報告されていれば適格である．

データ収集と解析：データは独立に2人の査読者(DF,AT)により抜粋された．ピートのオッズ比(OR)はすべて二分されたアウトカムとして計算され，加重平均差はすべて連続的なアウトカムとし計算された．もし，データが均一あるいは不均一なら，固定効果モデルあるいはランダム効果モデルがそれぞれ使われた．

主な結果：強皮症のレイノー現象における治療のシクロフェニルとプラセボの比較試験は，二つ確認されたが，そのうち一つのみをレビューの対象とした．シクロフェニルがプラセボと比較してより，改善し，より，脱落する傾向が認められるが，それらに統計学的に有意な差は無い．

結論：シクロフェニルは，強皮症に伴うレイノー現象の治療において有効ではない．

Citation: Pope J, Fenlon D, Thompson A, Shea B, Furst D, Wells G, Silman A.. Systemic Sclerosis (SS): Cyclofenil Versus Placebo for the Treatment of Raynaud's Phenomenon (RP) in Progressive SS. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.