会陰修復に対する連続縫合と単縫合の比較

Continuous vs interrupted sutures for perineal repair

Kettle C, Johanson RB

最終更新日:23/10/1997


目的:経膣分娩後に会陰縫合をおこなった婦人の短期および長期の分娩後の罹病率において連続皮下縫合と単皮膚縫合との有用性を比較すること.

検索方法:このレビューは,コクラン妊娠と出産グループによって開発された検索方法によって行われた.同グループの比較臨床試験特別レジスターで確認されたすべての関連した研究が組み込まれている.

選択基準:会陰の皮膚を閉じるための連続皮下縫合と単縫合とを比較する確認されたすべての適切なランダム化比較試験が,このレビューに組み込まれた.

データ収集と解析:データは,個々の研究出版レポートより抽出されReview Managerソフトウエア(RevMan)に直接登録された.登録されたデータは次席の判定者(Richard Johanson)によって正確さをチェックされた.この系統的レビューの組み込みにあたり不適当なデータに関するさらなる情報は,Detlefsen とIsager-Sallyの研究者から検索中である.

主な結果:4つのランダム化試験が確認されこの系統的レビューに組み込まれた.データのメタ・アナリシスにより,会陰修復の連続皮下縫合の技術は分娩後10日までの痛みの軽減と関連しているという証拠が見い出された.しかしながら鎮痛の必要性,再縫合の必要性,性交痛において,連続皮下 縫合と単縫合の間に違いはなかった.データは,長期の疼痛,抜糸の必要性,分娩後3か月以内に痛みなく性交ができないという重要な結果はMahomed 1989の試験からのみ入手可能であった.

結論:このレビューにより提示される証拠によれば,会陰修復の連続皮下縫合は分娩直後の痛みをより少なくしているかもしれない.しかしながら長期的な効果は,不明瞭である.会陰修復の新しい方法についての有用性を評価するさらなる研究が必要であり,その研究には長期の観察が含まれるべきである.


Citation: Kettle C, Johanson RB. Continuous vs interrupted sutures for perineal repair. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:岡野愛子/佐藤孝道)