産褥うつ病になった母親に対するケア提供者のサポート

Caregiver support for postpartum depression

Ray KL, Hodnett ED

最終更新日:23/09/1997


目的:産褥うつ病の治療において専門的および社会的サポートの介入の有用性の公平な評価をすること.

検索方法:調査はコクラン妊娠と出産グループで開発された検索方法を用いた.関連した研究は同グループの比較臨床試験特別レジスターで確認された.

選択基準:以下の基準を満たす試験をレビューに入れた.試験の目的が産褥うつ病の治療と明確に定義されている.産褥期において,ケア提供者によるサポートが通常のケアと比較されている.ランダム化か準ランダム化で方法論の質が受容できるもので,ランダム化の過程や患者の追跡調査においての系統的なあやまりがないものを研究グループで使用した.試験は患者が薬物療法をうけても除外しない.

データ収集と解析:データは出版論文と研究執筆者の一人から得られた未出版の情報から得られた.二人のレビュアーともがデータを抽出した.ある試験では,"本研究の意図した治療"の分析を行うために,各治療グループにあらかじめ割り振った試験者数を研究に使用した.オッズ比と95%信頼区間は比較できる範疇のデータより算出された.結果は決まった効果モデルを使ってプールされた.

主な結果:結果は産後25週のうつスコアとして得られた.サポートのある産褥うつ病の治療は有益かもしれないが,試験に登録された婦人が少数のため,結果は慎重に考慮されるべきである.

結論:新たに母親になる人たちの間でうつ病は重要な健康問題である.産褥うつ病は専門的および社会的サポートを高めることにより緩和されるかもしれないが,さらなる研究が必要である.


Citation: Ray KL, Hodnett ED. Caregiver support for postpartum depression. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:岡野愛子/佐藤孝道)