ロウリスク妊娠のためのルーチンの出生前ケアのパターン

Patterns of routine antenatal care for low-risk pregnancy

Vilar J, Khan-Neelofur D

最終更新日:14/10/1997


目的:レビューの目的は,出生前ケアの異なるプログラムを評価し,比較するために行われたすべてのランダム化比較試験を分析することによって,ロウリスク妊婦のための出生前ケアプログラムの臨床的,心理社会的効果を評価することである.

検索方法:このレビューはすべてコクラン妊娠と出産グループのために開発された検索方法を参考にした.研究の基本的な情報源はコクラン妊娠と出産グループの比較臨床試験特別レジスターによった.しかし,登録にすべての関連した研究が確実に含まれることに加え,判定者は回収した論文の文献リストを検索し,さらにレビューにすべての研究を含むために,この分野で活動している研究者と個人的な連絡を取った.さらに情報が必要な場合は,レビューグループの詳細を参照のこと.レビューグループの試験登録は1997年3月に最終チェックされた.元の出版物には報告されていない関連した結果についてのデータを得るために,著者らによって,採用された試験の主要な研究者達に連絡が取られた.

選択基準:頻度,来院のタイミング,ケア提供者の種類について,出生前ケアのプログラムを比較するすべての容認できるランダム化比較試験.

データ収集と解析:データは,結果や治療や研究場所の盲検化なしにそれぞれの報告から著者らによって別々に抽出された.分析を行う前に著者らは一緒にデータをレビューした.元の出版物には報告されていない関連した結果についてのデータを得るために,著者らによって,試験の主要な研究者達に連絡が取られた.このレビューで考えられたいろいろな結果の評価項目は次の通りである.早期産,低出生体重児,small for date児,子前症,帝王切開,誘発分娩,分娩前の出血,分娩後の出血,平均生下時体重,平均在胎週数,周産期死亡率,母体死亡率,妊婦によるケアの認識を表すさまざまな項目.

主な結果:来院回数の中等度の減少は,いかなる好ましくない周産期予後が増加することと関連がない.さらに,ZimbabweのHarareで行われた試験では,早期産の頻度を減少させることが示唆されている(相対危険度0.88 95%CI 0.80-0.96).助産婦/開業医が管理するケアにおいて,ケアとケア提供者の共同体は妊婦のケアに対する認識を改善させるかもしれない.助産婦/開業医が管理するケアの臨床的効果は産科医/婦人科医の分担するケアと同じである.

結論:特に目的指向型の人は,検診内容の重要性を高めることで,有害な生物学的周産期予後を増加させることなしに,出生前の検診回数を中等度減少させることができるらしい.全体として,妊婦は検診回数の減少に満足したが,ある妊婦は期待通りではなかったと感じた.助産婦/開業医が管理するケアの臨床的効果は,産科医/婦人科医の分担するケアと同様である.経費を抑え,妊婦の満足度を高めることは助産婦のクリニックで達成できる.


Citation: Vilar J, Khan-Neelofur D. Patterns of routine antenatal care for low-risk pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:八重ゆかり/佐藤孝道)