慢性関節リウマチ(RA)：慢性関節リウマチにおける注射用金製剤のメタ・アナリシス

目的：注射用金製剤の短期間効果と副作用のリスクを決定する．

検索方法：電子的検索はMEDLINEを用いて行い，その後電子的検索により得られた試験の参考文献をハンドサーチした．

選択基準：慢性関節リウマチ患者に対する注射用金製剤とプラセボの比較をしているランダム化比較試験(RCT)．

データ収集と解析：RCTの方法論的品質は二人の査定者(MS,BS)によって査定された(κ=1.0)．慢性関節リウマチは6ヶ月をエンドポイントに出版物から抽出した．腫張関節，医師の総合評価，患者の総合評価およびESRに関する蓄えられた分析数を含む十分なデータが得られた．結果は腫張関節数と総合評価については標準加重平均差によって，ESRでは加重平均差によって分析された．毒性は脱落者のオッズ比の集積によって検討された．不均一性はカイ二乗試験を使って決められた．終始固定効果モデルを使用した．

主な結果：統計学的に有意な効果がプラセボと比較して注射用金製剤で認められた．金製剤とプラセボ間の平均加重差(効果の大きさ)は腫張関節数で-0.5であり，プラセボよりも注射用金製剤の方が30%も有利に変わっていた．ESRや患者及び医師の評価でも統計的に有意な差が得られた．毒性による脱落数は金製剤群が有意に高かった．

結論：重篤な毒性発生率による制限があるにしても，注射用金製剤は治療上重要であり，慢性関節リウマチの患者にとって短期間の治療は統計学的にも有意に優れていた．

Citation: Clark P, Tugwell P, Bennet K, Bombardier C, Shea B, Wells G, Suarez-Almazor ME. Rheumatoid Arthritis (RA): A Meta-Analysis of Injectable Gold in Rheumatoid Arthritis. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.