椎骨動脈狭窄に対する経皮経腔的血管形成術とステント使用

Percutaneous transluminal angioplasty and stenting for vertebral artery stenosis

Crawley F, Brown MM

最終更新日:08/05/1997


目的:症候性の椎骨脳底動脈疾患を伴う患者において椎骨動脈の経皮経腔的血管形成術(PTA)が内科的治療のみと比較して安全で有効かどうかを評価する.

検索方法:コクラン脳卒中グループの限定された記録とその分野の専門家への個人的連絡.

選択基準:症候性の椎骨動脈狭窄を伴う患者を対象にして最適な薬物療法及び椎骨のPTA(ステント使用あるいは使用なし)と最適な薬物療法のみを比較した全ての混同されないランダム化比較試験.

データ収集と解析:2人のレヴュアーが独立して試験を選び,関連するデータを抽出した.死亡,椎骨脳底動脈の卒中,何らかの卒中,再狭窄,別の合併症について評価を行った.

主な結果:完了したランダム化比較試験は確認されなかった.頚動脈と椎骨動脈のPTAの試験は進行中であるが,椎骨脳底動脈の疾患を伴う患者は,ほとんど対象となっていない.

結論:椎骨動脈狭窄に対するルーチンでの経皮経腔的血管形成術(PTA)を支持するエビデンスはまだ得られていない.通常,椎骨動脈狭窄に対する経皮経腔的血管形成術(PTA)はランダム化比較試験の状況においてのみ行われるべきである.


Citation: Crawley F, Brown MM. Percutaneous transluminal angioplasty and stenting for vertebral artery stenosis. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:糸目千穂/濱崎圭三 渡邊次夫)