目的:手術の適応となる患者について頸動脈の経皮経腔的血管形成術(PTA)が頸動脈内膜切除より安全で,さらに同等に有効かどうか,あるいは手術の適応とならない患者について内科的治療より有効かどうかを判断する.検索方法:コクラン脳卒中グループの限定された記録とその分野の専門家への個人的な連絡.
選択基準:症候性あるいは無症候性の頸動脈狭窄を伴う患者について頸動脈PTA(ステントの使用ありまたはなし)と頸動脈内膜切除を比べた全てのランダム化比較試験,また,頸動脈PTA及び最適な内科的治療と最適な内科的治療のみを比較した試験.
データ収集と解析:2人のレヴュアーが独立して試験を選び,関連するデータを抽出した.死亡,方法に対する発作の同側性,発作,再狭窄,他の合併症について評価した.
主な結果:完結したRCTはまだ確認されていない.1つの試験はランダム化は終了したがまだ解析していない.もう1つは進行中である.
結論:ステントを使用するあるいは使用しないPTAが頸動脈狭窄を伴う患者の臨床的治療を変えることになるのかどうかについてはまだエビデンスがない.しかし,PTAと慣例的な治療を比較する試験において,患者のランダム化を継続することを支持するデータがでている.
Citation: Crawley F, Brown MM. Percutaneous transluminal angioplasty and stenting for treatment of carotid artery stenosis. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:糸目千穂/濱崎圭三 渡邊次夫)