抜管した新生児への霧状ラセミ体エピネフリン吸入

Nebulized racemic epinephrine in newborn infants being extubated

Davies MW, Davis PG

最終更新日:09/04/1998


目的:第一の目的は新生児をIPPVから離し抜管してすぐに霧状ラセミエピネフリンを投与することが、その後の呼吸サポートの追加の必要性を減少させるかどうか評価することである.

検索方法:検索は,MEDLINE(MeSH termは "epinephrine" AND "exp infant, newborn"),オックスフォード出生時試験のデータベース,主に英語で書かれた専門家による情報とハンドサーチで探した雑誌,オガワ教授が探した日本語で書かれた専門家による情報,リファレンスを含む既出の総説,会議とシンポジウムの予稿集から行われた.

選択基準:IPPVから離脱されてきて抜管された新生児において、抜管後すぐのエピネフリン吸入とプラセボを臨床的重要な結果(例えば付加的呼吸サポートの追加の必要性,酸素需要量の増加,呼吸困難,ぜい鳴もしくは副作用の発現)に関して比較した,すべてのランダム化と準ランダム化比較試験.

データ収集と解析:このレビューの組込み基準にあう研究はなかった.

主な結果:抜管した新生児の臨床的重要な結果に霧状エピネフリン吸入の効果に注目した研究は確認されなかった.

結論:臨床に対する意味:新生児に霧状ラセミ体エピネフリン吸入を行うことを支持することと反対することの両方とも証拠はない.

調査の意味:新生児の抜管後における霧状ラセミ体エピネフリン吸入とプラセボを比較したランダム化比較試験が必要である.このことは抜管後のルーチンな治療として,また抜管後の上気道閉塞の特別な治療としてみられているだろう.研究の母集団には小さな声門と声門下の直径のために粘膜腫脹からくる上気道閉塞の最も危険性の高い新生児(すなわち,1,000g未満の出生時体重の新生児)のグループが含まれるべきである.

[IPPV: intermittent positive pressure ventilation(間欠的陽圧換気)]


Citation: Davies MW, Davis PG. Nebulized racemic epinephrine in newborn infants being extubated. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:大西優里/加藤太一 )