目的:満期で元気であるが,胎便で汚染された児へ,出生時に気管内挿管して気道を吸引することが,通常の蘇生法より有益かどうかを決めること.検索方法:Oxford Databese of Perinatal Trials,コクラン新生児レビューグループのNeonatal Trials Registry,豊富な知識を持って実践している新生児科医から得られた情報,が検索された.
選択基準:満期で元気であるが,胎便で汚染された児への,通常の蘇生法と気道吸引のために気管内挿管することを比較したランダム化比較試験が,このレビューのために使われた.
データ収集と解析:死亡率,気胸,胎便吸引症候群,酸素投与の必要性,喘鳴,痙攣,低酸素性脳症(HIE)を含む臨床結果のデータが要約され,Revman3.0を使用して分析された.
主な結果:満期で元気であるが,胎便で汚染された児への,出生時の気管内挿管のランダム化比較試験は,2つあった.これらの試験のメタ・アナリシスでは,満期で元気であるが,胎便で汚染された児へ出生時にルーチンに気管内挿管することが,死亡率,気胸,酸素の必要性,胎便吸引症候群,喘鳴,HIE,痙攣を減少させる証拠はなかった.
結論:満期で元気であるが,胎便で汚染された児へ出生時にルーチンに気管内挿管することが,咽頭吸引を含む通常の蘇生法より優れているとは示されなかった.確固たる結論を出す前に,さらなる研究が必要である.
Citation: Halliday HL. Endotrcheal intubation at birth in vigorous term meconium-stained babies. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:亀井陽子/佐藤孝道)