分娩後の会陰の痛みと性交疼痛に関する超音波治療

Therapeutic ultrasound for postpartum perineal pain and dyspareunia

Hay-Smith EJC

最終更新日:19/05/1998


目的:このレビューの目的は,出産後の急性会陰痛,持続的会陰痛と(もしくは)性交疼痛に対して,超音波療法が安全かつ効果的治療法であるか否かを決定することである.

検索方法:EMBASE, CINAHL, 理学療法指針,WCPTの会報の検索結果が付加された,コクラン妊娠と出産グループにより維持,更新された比較臨床試験特別レジスター.

選択基準:出産後の急性会陰痛,持続的会陰痛と(もしくは)性交疼痛を訴える女性に対して,積極的な超音波療法を施したものと以下の3つ(処置をしないもの,もしくはプラセボ超音波療法を行ったもの,もしくはその他「標準的な」処置か積極的処置を行ったもの)を比較したすべてのランダム化臨床試験.

データ収集と解析:超音波療法とプラセボを比較した2種類の包括的試験があり、一つは超音波療法とプラセボ+パルス電磁気エネルギー療法,もう一つの更なる試験は超音波療法とパルス電磁気エネルギー療法とを比較した.データは著者により抽出され,包括的臨床試験はランダム化と盲検化の質によって評価された.バイアスの入る危険性が低い試験が一つ,中等度の危険性の試験が二つ,バイアスが入る危険性が高い試験が一つであった.

主な結果:このデータでは会陰の疼痛と性交疼痛の軽減のための,超音波療法の有効性を実証するエビデンスは不十分であった.

結論:超音波療法を持続使用するためには,会陰痛と性交疼痛の軽減に関する超音波療法の効果のさらなる研究が必要である.


Citation: Hay-Smith EJC. Therapeutic ultrasound for postpartum perineal pain and dyspareunia. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:亀井陽子/岡田慶子、岡田 隆)