分娩誘発あるいは過期妊娠予防のための卵膜剥離

Stripping/sweeping of the membranes to induce labour or to prevent post-term pregnancy

Boulvain M, Irion O

最終更新日:12/05/1998


目的:分娩の促進,誘発のための卵膜剥離の効果を評価し,この介入が母体と周産期のアウトカムに及ぼす効果を評価する.

検索方法:このレビューではコクラン妊娠と出産グループが開発した検索方法を用いて情報を抽出した.同グループの比較臨床試験特別レジスターとコクラン比較臨床試験レジスターの中から関連する研究を同定した.

選択基準:分娩の誘発あるいは過期妊娠の予防のために用手的卵膜剥離の適切な比較評価.研究の質は二人のレビュアーが独立して評価した.

データ収集と解析:研究の報告は,二人の独立したレビュアーによって母体と周産期のアウトカムについてのデータが回収され,解析された.

主な結果:妊娠中の女性に一般的な方法として行われている卵膜剥離は,41-42週を超える妊婦の妊娠期間と妊娠継続率を減少させる.卵膜剥離を施行すると,より正式な分娩誘発法の利用が17%減った.出産形態や感染症の危険についての違いはなかった.卵膜剥離に割付けられた妊婦では,内診中の不快や他の副作用(出血,不規則な収縮)が,より高頻度に報告された.

結論:妊娠38週以降にルーチンで卵膜剥離を行うことは,臨床的に重要な利益をもたらすわけではなさそうである.分娩誘発の方法として用いたときは,より「正式」な方法の利用の減少と,手技にともなう妊婦への不快や他の副作用は釣り合っている.


Citation: Boulvain M, Irion O. Stripping/sweeping of the membranes to induce labour or to prevent post-term pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:鶴岡浩樹/橋本 淳)