新生児のラジアント・ウォーマーと保育器の比較

Radiant warmers vs incubators in newborn infants

Flenady VJ, Woodgate PG

最終更新日:18/11/1997


目的:水,電解質バランス,新生児罹患率,死亡率において,(新生児期の)ラジアント・ウォーマーと保育器の効果を評価すること.

検索方法:コクラン新生児レビューグループの標準的方法が使われた.周産期試験のオックスフォード・データベース,MEDLINE,参照を含めた以前のレビュー,要約,学会の抄録,専門家の情報,手作業で調べた主に英文の雑誌がこの調査に含まれた.

選択基準:新生児において,ラジアント・ウォーマーを保育器と比べたすべてのランダム化または準ランダム化試験.

データ収集と解析:組み込まれた研究からデータを集めるのに,以下の方法が使われた: 著者は別々にデータを抽出し,相違を比較し,解決した.審査員が未解決の相違点を探した.

データを統合するのに以下の方法が使われた: 連続した目盛りで測られた結果のデータに対して,加重平均差(WMD)を使用した新生児レビューグループの標準的方法

主な結果:ラジアント・ウォーマー下で看護した新生児で,不感蒸泄(IWL)の統計学的に有意な増加が示された(WMD 0.94g/Kg/day, 95%CI 0.48, 1.41).ラジアント・ウォーマー群で統計学的には有意ではないが,酸素消費量の増加傾向が示された(WMD 0.27mL/kg/min, 95%CI -0.10, 0.63).

熱遮蔽をしたラジアント・ウォーマーと,熱遮蔽をしていない保育器を比べると,統計学的に有意ではないが,ラジアント・ウォーマー群で不感蒸泄の増加傾向が同様に示された(WMD 1.00g/kg/day, 95%CI -0.10, 2.10).熱遮蔽をしたラジアント・ウォーマーと保育器を比較すると,酸素消費率に差はなかった(WMD -0.05, 95%CI -0.84, 0.74).

結論:ラジアント・ウォーマーは,保育器に比べて不感蒸泄が増加し,毎日の水分必要量を計算すると,これは考慮の必要がある.このレビューの結果からは,ラジアント・ウォーマーと保育器の使用に関して,臨床実地の指針となるような重要な結果としての十分なエビデンスがない.

特に超低出生体重児群に注意を払った新生児ケアにおけるラジアント・ウォーマーの役割を評価した,さらなるランダム化比較試験が必要である.


Citation: Flenady VJ, Woodgate PG. Radiant warmers vs incubators in newborn infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:横田恭子/佐藤孝道)