急性虚血性脳卒中に対する酸化窒素供給体(硝酸塩),L-アルギニンまたは酸化窒素合成酵素阻害剤

Nitric oxide donors (nitrates), L-arginine, or nitric oxide synthase inhibitors in acute ischaemic stroke

Bath FJ, Butterworth RJ, Bath PMW

最終更新日:29/08/1997


目的:酸化窒素(NO)供給体,L-アルギニン(酸化窒素合成の基質)または酸化窒素合成酵素阻害剤(NOS-I)を急性脳卒中の患者に投与する時,安全で有効な治療であるかどうかを判定する.

検索方法:コクラン脳卒中レビューグループの検索方法及びEMBASE,MEDLINEとSCI/ISIの検索と研究員とこの分野の製薬会社との討論.

選択基準:公開または非公開に関わらず全ての完了している真または準ランダム化比較試験で,虚血性脳卒中の患者に発症から1週間以内にNO供給体,L-アルギニンまたはNPS-Iが投与されたもの.

データ収集と解析:アウトカム:早期(1ヶ月以内)と後期患者致死率,早期悪化,遅発性能力障害,生活の質(QOL),血圧と心拍数,出血と頭痛を含めた副作用.

主な結果:完了した試験は1つも確認できなかった.1つの小規模の三硝酸グリセリルのプラセボ比較試験が現在進行中である.

結論:完了したNO供給体,L-アルギニンまたはNOS-Iの試験はないが,1つの試験が進行中である.実験的研究で脳卒中の病態生理学上NOが重要であることが示唆されて以来,ヒトでの試験が正当化されている.


Citation: Bath FJ, Butterworth RJ, Bath PMW. Nitric oxide donors (nitrates), L-arginine, or nitric oxide synthase inhibitors in acute ischaemic stroke. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:福井直仁/濱崎圭三,中村英治)