健康サービス利用におけるマスメディアの影響

Impact of mass media on health services utilisation

Grilli R, Freemantle N, Minozzi S, Domenighetti G, Finer D

最終更新日:21/08/1997


目的:健康サービス利用におけるマスメディアの効果を評価する.

検索方法:MEDLINE,EMBASE,Psychlit,Ericの検索.同様に重要な学術誌の用手検索.参考リストと文献の出典もまた考慮された.

選択基準:前定義された登録の判断基準を満たし,そして健康サービス利用の客観的な計測においてマスメディアの影響を評価した実験的および準実験的な研究(時系列分析と管理下前後研究).

データ収集と解析:介入の特徴や内容に関する情報が抽出された.そして健康サービスの利用を定量化したデータを得た.介入の効果サイズを表す標準化回帰係数は,適切な統計学的方法を用いて各研究において計算された.健康サービスの利用において,一つの陰性効果サイズは一つの変化として意図された方向性をもつため,介入の効果(すなわち陽性あるいは陰性)の方法もまた標準化された.ランダム効果モデルを用いたケア面に類似したマスメディアの影響を評価した研究にわたって,効果サイズは集積された.

主な結果:健康サービス利用の状況において,マスメディアの影響における情報を供給した69論文のうち17は私達の組込み基準を満たした.全部が断続時系列デザインを使用した.14は,公式マスメディアキャンペーンの影響を評価し,健康のメディア報道の3つは出版と関係した.全体の方法論的質は可変的だった.6研究は統計学的分析を行わなかった.そして7研究は不適切な統計学的試験(すなわち時間傾向の影響を考慮しない)を使用した.一つは別として研究の全部は,マスメディアが効果的であると結論した.これらの陽性の知見は,7研究において私達の再分析により確認された.効果の方法は期待された変化に関する研究にわたり一致した.ケア面に類似したマスメディアの影響を評価する研究のプールされた効果サイズは,免疫化プログラムを促進するキャンペーンで-1.96(95%CI -1.19から-2.73)から癌検診に関するキャンペーンで-1.12(95%CI -0.49から-2.36)の範囲の一度の変化によって説明されない健康サービスの利用の効果を明らかにした.

結論:マスメディアの介入による限られた情報と利用できる一次調査の乏しい質にも関わらず,このレビューは,これらのコミュニケーションのチャンネルがヘルス・ケア・サービスを利用することに影響を与え重要な役割を持つかも知れないと言う見解を支持する証拠を発見した.臨床の中で研究情報の取り込みをさらに促進させ,有効なサービスの利用を奨励し有効でないサービスを防止するツールの一つとして,マスメディアを見なすべきである.


Citation: Grilli R, Freemantle N, Minozzi S, Domenighetti G, Finer D. Impact of mass media on health services utilisation. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:安西邦男/鶴岡浩樹)