慢性精神疾患のための生活技術プログラム

Life skills programmes for chronic mental illnesses

Nicol MM, Robertson L, Connaughton JA

最終更新日:27/05/1998


目的:慢性の精神疾患を持つ人々において,生活技術プログラムと標準的ケアとの有効性を比較すること.

検索方法:CINAHL,コクラン・ライブラリー,コクラン精神分裂病グループの比較臨床試験特別レジスター,EMBASE,MEDLINEおよびPsycLITは,全て組織的に調査された.ハンドサーチと引用文献の調査でこれを補った.

選択基準:重症精神疾患を持つ人々を対象とした,標準的ケアと生活技術プログラムとのランダム化または準ランダム化比較試験全て.

データ収集と解析:検索は,2人のレビュアーによって点検され,3人目のレビュアーは仲裁者の役割をした.同様の方法でデータは抽出された.可能な限り二値データについてはintention-to-treat解析を行い,正規分布している連続データはグラフ表示した.

主な結果:2つのランダム化比較試験が包含された.これらの研究は,合計38人の参加者を含んでいた.データはまばらで,明瞭な効果は示されなかった.

結論:もしリハビリテーションプログラムの一部として生活技術訓練を続けるためには,よく設計され,施行され,報告された大規模な実際的なランダム化試験を行う緊急の必要性がある.ランダム化比較試験の枠外で現在の方式を続けることは非倫理的であるという議論すら可能かもしれない.


Citation: Nicol MM, Robertson L, Connaughton JA. Life skills programmes for chronic mental illnesses. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:中村和宏/古川壽亮)