目的:学習障害で挑戦的態度を有する人に対するメジャートランキライザーの有効性を検証する.
検索方法:Biological Abstracts,コクラン・ライブラリー,コクラン精神分裂病グループの臨床試験データベース,EMBASE,MEDLINE,PsycLITを検索した.さらなる文献を公表された臨床試験や製薬会社から求めた.臨床試験は信頼性をもって同定され,抽出された.
選択基準:すべてのメジャートランキライザー対プラセボのランダム化比較試験.
データ収集と解析:レビュアーは互いに独立にデータを評価しintention-to-treatベースで分析した.より長いフォローアップのデータが得られなかったので,データは4週および8週の時点で評価された.レビュアーは追跡から脱落した患者は悪いアウトカムであったと想定した.
主な結果:分析にはたった3つのランダム化比較試験しか含まれなかった.それらは,学習障害で挑戦的態度を有する成人に対してメジャートランキライザーが利益をもたらすのか,損害をもたらすのか何のエビデンスも提供できなかった.
結論:この重要な結論を出すには限られたデータしかないので,もっと多くの研究が至急なされる必要がある.
Citation: Brylewski J, Duggan L. Antipsychotic medication for challenging behaviour in people with learning disability. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:福田泰代/古川壽亮)