無呼吸のリスクのある早産児に対する予防的な物理的刺激

Prophylactic kinesthetic stimulation in preterm infants at risk for apnea

Henderson-Smart DJ Osborn DA

最終更新日:18/08/1997


目的:無呼吸のリスクのある早産児に対して物理的刺激を予防的に行うことで,無呼吸や徐脈,間歇的陽圧換気(IPPV)の使用,神経発達障害の頻度に臨床的に重要な減少がもたらされるかどうか.

検索方法:コクラン新生児レビューグループの標準的検索方法を用いた.これは以下のものが含まれる:Oxford Database of Perinatal Trials,コクラン比較臨床試験レジスター,MEDLINE,文献リストのついた過去の総説,要約,カンファレンスやシンポジウムの予稿集,専門的な情報提供者,主として英文雑誌のハンドサーチ.

選択基準:無呼吸発作を起こすリスクのある早期産児に対して,ランダム化または準ランダム化割りつけを用いて振動マットレスによる治療と対照群とを比較した試験をすべて適格とした.

データ収集と解析:コクラン共同計画とコクラン新生児レビューグループの標準的方法を用いた.個々の判定者が独立して試験の質の評価とデータの抽出を行い,リスク比を用いてデータの統合を行った.

主な結果:短期的効果(無呼吸,徐脈,脳室内出血,IPPVの使用,睡眠・覚醒周期と退院時の神経学的所見),長期的効果(1試験のみ.生後1年までの発育と発達)ともに差は認められなかった.

結論:臨床的意義.早期産児における無呼吸,徐脈を減少させるために予防的に運動感覚刺激を用いることは推奨できない.研究的意義.早期産児の無呼吸を防止するために予防的に運動感覚刺激を用いることに関して,研究における明確な問題点は現在のところない.


Citation: Henderson-Smart DJ Osborn DA. Prophylactic kinesthetic stimulation in preterm infants at risk for apnea. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:廣瀬美智代/佐藤孝道)