慢性気管支喘息のホメオパシー

Homeopathy for chronic asthma

Linde K, Jobst K A

最終更新日:25/11/1997


目的:安定した慢性気管支喘息の患者の治療のための,ホメオパシー療法の効果による証拠を評価するものである.

検索方法:コクラン気道グループ,Cochrane Field of Complementary Medicine,Glasgow Homeopathic Hospital とMunchener Modell Complementary Medicineのデータベースが調べられた.明らかになった論文の引用は更なる研究によりチェックされた.

選択基準:喘息治療のためのホメオパシー療法のランダム化比較試験.

データ収集と解析:患者,方法,教育,結果,成果の情報は標準的な形式から引用した.

主な結果:3つの研究が包含基準を満たしていた.全てプラセボと比較した,ランダム化された双盲の試験であった.しかし,それらは含まれている患者,使われた教育(3つの異なったホメオパシー療法)と方法論的質の点でかなり違っていた.そのため,量的メタ・アナリシスは除外している.2つの研究は,プラセボと比較しテストされたホメオパシー療法からの統計的意義ある結果を肯定し,そして他の研究においては,意義のある結果は見られなかった.

結論:現在入手可能な証拠は,喘息治療でのホメオパシーの可能な役割について評価するための確かなものは不十分である.試験の中で明らかにされた調査した介入では,ホメオパシーを臨床現場で喘息の治療で使うことの代表性はほとんどない.一般的に,そのような治療は,喘息のような疾患そのものよりも個別の処方としてむしろ選択されそうである.ランダム化比較試験とは別に,ホメオパシー療法の方法と範囲の違いや患者の反応についての観察研究のデータが必要である.


Citation: Linde K, Jobst K A. Homeopathy for chronic asthma. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:仲川三春/濱崎圭三,吉村 学)