慢性関節リウマチ(RA):RAにおける動的運動療法

Rheumatoid Arthritis (RA): Dynamic exercise therapy in RA

Van den Ende CHM, Vliet Vlieland TPM, Munneke M, Hazes JMW

最終更新日:19/08/1998


目的:システマティック・レビューの目的は,慢性関節リウマチ(RA)患者で関節状況,筋力,有酸素運動能および日常機能の改善における動的運動療法の効果を評価することである.加えて,痛みの増加,疾患の活動性やレントゲン的進行といった期待しない効果の可能性も検討した.

検索方法:運動療法の効果に関する比較試験を同定するため,MEDLINE,EMBASEおよびSCISEARCHデータベースのコンピューターによる検索を行った.

選択基準:以下のクライテリアを満たす,運動プログラムをもったRA患者における動的運動療法の効果に関するランダム化試験.a)少なくとも20分の間に最大心拍数の60%を越える心拍数へ至る運動強度,b)運動頻度が1週間に2回,c)介入が6週間.

データ収集と解析:2人のブラインドされたレビュアーが独立して適切な研究を選択し,方法論的な質を評価し,データを取り出した.

主な結果:30の同定された比較試験のうち6つが包含基準に合致した.6つの含まれた研究のうち4つが10個の方法論的クライテリアのうち少なくとも7個を満たした.評価項目のデータの不均一性のために,集積することはできなかった.結果は,動的運動療法は有酸素運動能と筋力の増加に有効であった.疾患の活動性や痛みに対して有害な効果は認められなかった.機能的活動性やレントゲン的進行に対する動的運動療法の効果ははっきりしなかった.

結論:動的運動療法は身体活動能に良い効果がある.レントゲン的進行や機能的活動性における動的運動療法の長期的効果に関する研究が必要である.


Citation: Van den Ende CHM, Vliet Vlieland TPM, Munneke M, Hazes JMW. Rheumatoid Arthritis (RA): Dynamic exercise therapy in RA. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:後藤忠雄/橋本 淳)