医療専門家の診療と健康管理のアウトカムを改善するための審査とフィードバック

Audit and feedback to improve health professional practice and health care outcomes

Thomson MA, Oxman AD, Davis DA, Haynes RB, Freemantle N, Harvey EL

最終更新日:24/11/1997


目的:医療専門家の診療と健康管理のアウトカムを改善するための審査とフィードバックの効果を決定する.

検索方法:コンピュータ化されたMEDLINEを1997年6月まで調査し,関連した論文からの参考文献リストの総説を研究を探すために用いた.

選択基準:以下の基準を満たしている研究が選択された.デザイン=1かそれ以上の介入グループへの参加者のランダムまたは準ランダム割付.参加者=医療専門家.介入=特定の期間で,健康管理における臨床行為のまとめとして定義されている審査とフィードバック.アウトカム=健康管理の場において客観的に測定された行われた行為(たとえばオーダーした検査の数,特定の薬の処方数)と患者のアウトカム(たとえば血圧,帝王切開の数).

データ収集と解析:試験の質は,7つの判定基準を使って評価され,方法,患者,介入,アウトカムの測定と結果に関する情報は2人の評価者により抜粋された.

主な結果:37の研究が含まれていた.報告された研究方法はほとんど全部の研究で,不十分であった.例えば,31/37の研究では,ランダム化の過程が決まっていなかった.データ分析に関連した情報も欠如していた.例えば,検出力の計算は27/37の研究で述べられていなかった.多様な行為,たとえば診断検査のオーダーの減少や処方行為,予防管理,高血圧のような一般的な管理などが目標にされていた.28の研究では医師の行為を評価しており,ある1つの研究では糖尿病の患者のアウトカムを,残りの8の研究は医師の行為と患者のアウトカムを評価していた.相対的比率の差は,-16%から152%であった.変化の臨床的重要性はいつもはっきりしているというわけではなかった.

結論:審査とフィードバックは,時々医療専門家の診療の改善や,特に処方,診断検査のオーダーに効果的である.それが効果的であるときでも,効果はごくわずかか中程度であるが,もしかすると無駄ではないのかもしれない.医療専門家の行為を高めるためのこれらの試みを,このアプローチにのみ頼るべきではない.


Citation: Thomson MA, Oxman AD, Davis DA, Haynes RB, Freemantle N, Harvey EL. Audit and feedback to improve health professional practice and health care outcomes. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:仲川三春/小林正人,後藤忠雄)