レボドパ誘発性の運動性合併症を受けた特発性のパーキンソン病患者における,補助剤ペルゴリド対ブロモクリプチン療法の有効性と安全性

The efficacy and safety of adjunct pergolide versus bromocriptine therapy in patients with idiopathic Parkinson's disease suffering from levodopa-induced motor complications

Clarke C E, Speller J M

最終更新日:19/05/1998


目的:レボドパ及びその治療による長期合併症が既に確定したパーキンソン病患者において,補助剤ペルゴリド療法対ブロモクリプチンの有効性と安全性を比較する.

検索方法:MEDLINE,EMBASE,コクラン比較臨床試験レジスターの電子的検索.コクラン運動障害グループの戦略の一部として神経学の文献のハンドサーチ.確認された研究の参考リストと他の評論の調査.イーライ・リリー社とサンド社とのコンタクト.

選択基準:特発性パーキンソン病の臨床診断とレボドパ療法による長期合併症の患者における,ペルゴリド対ブロモクリプチンのランダム化比較試験.

データ収集と解析:データは,各著者ごとに独立して要約され,意見の相違は討議により同意を得た.

主な結果:三つの短期試験は,レビューのための包含判定基準を満たしていた.二つの試験において,UPDRSYとNYPDS運動性とNYPDS ADLスコアに関してペルゴリドはブロモクリプチンより優位であった.二つの研究において,ブロモクリプチンよりもペルゴリドで臨床家の全体的な印象スコアにおいて多くの患者は「著名な」あるいは「中等度改善」を示した.動揺と運動障害に対する不十分な証拠は,いくつかの結論を引き出すには有効であった.レボドバ用量の減少,脱落あるいは有害作用においてアゴニスト間には相違はないように見られた.

結論:運動性障害や能力障害においてペルゴリドがブロモクリプチンより優位であるとはいえ,レボドパ誘発性の運動性合併症に対する結論には到達しなかった.レボドバ用量の減少,有害反応や治療からの脱落は二つのアゴニストで同様である.有効性におけるペルゴリドのわずかな優位は,ブロモクリプチンと比較して付加的コストを考慮するには到らない.


Citation: Clarke C E, Speller J M. The efficacy and safety of adjunct pergolide versus bromocriptine therapy in patients with idiopathic Parkinson's disease suffering from levodopa-induced motor complications. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:安西邦男/白石由里)