妊娠中の亜鉛補充

zinc supplementation in pregnancy

Mahomed K

最終更新日:21/05/1997


目的:妊娠中の亜鉛補充が母親と胎児の死亡率と罹病率に与える影響について評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって展開された調査方法が用いられた.

選択基準:適格とされるのは妊娠中の亜鉛補充の役割を評価する全ての容認できる比較試験.5つの出版されたランダム化比較試験の全部がレビューの要素である.1つの試験(USA 1985a)は平均値だけを含み,それ以外の情報が得られないため除外された.他の2つの試験(India 1993b and USA 1985)は,経過観察できない例が多く,満足のいくものでないため除外された.

データ収集と解析:出版された試験からのデータが用いられた.主な著者は,明解にすべき点がある場合は連絡をとった. 

主な結果:亜鉛補充を行ったグループが分娩誘発が減少した可能性は別として,この研究は妊娠中のルーチンでの亜鉛補充がどんな効果に対しても有益か有害か示さなかった.分娩誘発に対する効果がある可能性はただひとつの試験から引き出されており,慎重に対応すべきである.

結論:現在のところ妊娠中のルーチンでの亜鉛補充が効果的である証拠はない.しかしながら,今後の試験は,亜鉛欠乏の危険性のあるグループを評価することによって示されるであろう.


Citation: Mahomed K. zinc supplementation in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:中村和宏/佐藤孝道)