吸引分娩と鉗子分娩の比較

Vacuum extraction vs forceps delivery

Johanson RB, Menon VJ

最終更新日:19/02/1997


目的:2つの方法の効果を評価する.1つは分娩が成功するかという見地から,もう1つは母親と新生児の罹患率の程度という見地から.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:吸引分娩と鉗子分娩についての,すべての容認できる対照比較試験.

データ収集と解析:出版された論文と試験著者から得られた未出版データから著者らによって行われた.

主な結果:鉗子分娩に比較して吸引器を経腟分娩の補助に用いることは,有意に母親の損傷を減少させ,全身麻酔・局所麻酔を少なくさせた.さらに,吸引分娩のグループでは帝王切開術が少なかった.しかし,吸引器は新生児頭血腫と網膜出血を増加させる.重篤な新生児損傷はどちらの方法でも幸いにも非常に少なかった.

結論:分娩を補助するために,鉗子より吸引器を用いるほうが母親の罹患率を実質的に減少させる結果を期待できる.新生児の罹患率の面からは2つの方法の違いは少なそうであるが,さらに検討しなくてはならない.


Citation: Johanson RB, Menon VJ. Vacuum extraction vs forceps delivery. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:中村和宏/佐藤孝道)