嚢胞性線維症に関連した肝臓病におけるウルソデオキシコール酸

Ursodeoxycholic acid in cystic fibrosis-related liver disease

Cheng K, Ashby D, Smyth R

最終更新日:16/02/1998


目的:嚢胞性線維症(CF)に関連した肝臓病におけるウルソデオキシコール酸(UDCA)の有効性を評価すること.

検索方法:広範囲な電子的データベースの検索や,関連雑誌や学会要旨集のハンドサーチより特定した参考文献より成る,コクラン嚢胞性線維症グループの比較臨床試験特別レジスタ.UDCAの販売を行なう製薬会社とも接触した.

選択基準:少なくとも3ヶ月間UDCAを投与したCF患者と,プラセボ群あるいは治療を行なわなかった群とを比較するすべてのランダム化あるいは偽ランダム化比較試験.

データ収集と解析:以下のアウトカムが評価された.肝酵素の正常化,異常に肥大した肝臓の縮小,栄養状態の改善(体重増加とBMI),門脈圧亢進症の進展やその合併症,胆汁流出の改善,肝移植の減少,死亡率の減少.

主な結果:3つの研究と,最長12ヶ月追跡した合計118人の患者が基準を満たした.我々の定義したアウトカムに関する情報不足,およびアウトカムの測定された時期が異なったため分析は限定された.

結論:CFに対するUDCAの有効性を評価する試験は,ほとんど見られない.CFの患者へのルーチンの使用を正しいとする証拠は十分ではない.この試験では,肝移植の必要性や死亡といった重要な指標は十分に評価されていないが,更なる評価を必要とする重要な予備的情報を提供している.我々は,予防処置と治療に関するUDCAの有効性を評価するためのよくデザインされた,十分な対象数の,多施設ランダム化比較試験を緊急に行なう必要性があることを提案する.そのような試験は,月単位より年単位以上にわたって臨床的に適切なエンドポイントで調べるべきである.


Citation: Cheng K, Ashby D, Smyth R. Ursodeoxycholic acid in cystic fibrosis-related liver disease. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:久保理恵/水野恵介)