メジャートランキライザーによって誘発された遅発性ジスキネジア:その他の治療法

Neuroleptic-induced tardive dyskinesia: miscellaneous treatments

McGrath JJ, Soares KVS

最終更新日:02/06/1997


目的:このレビューの主な目的は,次の介入が精神分裂病やその他の慢性の精神疾患の人の遅発性ジスキネジア(TD)の減少をもたらすかどうかの決定する:ボツリヌス毒素,エンドルフィン,エストロゲン,必須脂肪酸,EX11582A,ガングリオシド,リチウム,ナロキソン,ペリアクチン,フェニルアラニン,プリセタム,ステフォリジン,トリプトファン,神経外科,ECT.

検索方法:Biological Abstracts,コクラン精神分裂病グループの臨床試験データベース,EMBASE,LILACS,MEDLINE,PsycLIT,SCISEARCHの電子検索.同定されたすべての研究の引用文献のハンドサーチ.包含されたすべての臨床試験の第一著者に連絡.

選択基準:メジャートランキライザーによって誘発された遅発性ジスキネジアを伴う精神分裂病またはその他の慢性精神疾患の人に焦点を当てて,上記の介入をプラセボもしくは無介入と比較したすべてのランダム化比較試験.

データ収集と解析:検索方法により,31の異なった臨床試験を記述した40の参考文献が同定された.これらの31の臨床試験のうち,15の試験が除外され,6つの試験が包含され,8つが評価待ちで,さらに2つの試験については未決定である(翻訳待ちと,所在不明).データは複数のレビュアーによって独立に抽出され,オッズ比または平均差が推定された.レビュアーは脱落した人はまったく改善しなかったとみなした.

主な結果:データは,cerultide,必須脂肪酸,エストロゲン,リチウムとインスリンの有効性と安全性について入手可能であった.プラセボと比較して,インスリンの使用でTDの有意な改善があった(OR=0.04,95%CI 0.01-0.24).他の化合物とプラセボの間に有意差は見られなかった.

結論:このレビューに含まれるすべての薬剤の使用を支持する強い証拠はなかった.しかしながら,サンプルサイズの小ささのためにすべての結果は,決定的ではないと考えられる.低用量インスリンとTDの改善の間の関連は追試が必要である.


Citation: McGrath JJ, Soares KVS. Neuroleptic-induced tardive dyskinesia: miscellaneous treatments. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:亀井陽子/中野有美,古川壽亮)