メジャートランキライザーによって誘発された遅発性ジスキネジアに対するジルチアゼム，ニフェジピン，ニモジピンまたはベラパミル

目的：メジャートランキライザーによって誘発された遅発性ジスキネジアと，精神分裂病または他の慢性的な精神疾患の患者におけるカルシウムチャンネルブロッカー(ジルチアゼム，ニフェジピン，ニモジピン，ベラパミル)の臨床上の有効性を判定する．

検索方法：Biological Abstract，コクラン精神分裂病グループの臨床試験データベース，EMBASE，LILACS，MEDLINE，PsycLIT，SCISEARCHを電子検索し，同定したすべての研究の引用文献をハンドサーチし，包含されたすべての臨床試験の筆頭著者に連絡をとった．

選択基準：メジャートランキライザーによって誘発された遅発性ジスキネジアを伴う精神分裂病または慢性の精神疾患患者に焦点をあて，カルシウムチャンネルブロッカーの使用とプラセボないし無介入と比較した，すべてのランダム化比較試験．

データ収集と解析：現在評価を待っている2つのランダム化比較試験からはデータを抽出できなかった．その著者らには関連する情報を得るため連絡をとっている．

主な結果：基準を満たす研究はなかった．データは統合されなかった．

結論：現在利用しうる情報によれば，メジャートランキライザーによって誘発された遅発性ジスキネジアの患者をカルシウムチャンネルブロッカーで治療することの有効性については，確かな言明はできない．大規模なランダム化比較試験でこれらの薬物が評価されるまでは，臨床医はその薬の副作用の可能性と利点を比較して慎重に判断すべきである．

Citation: Soares KVS, McGrath JJ. Diltiazem, nifedipine, nimodipine or verapamil for neuroleptic-induced tardive dyskinesia. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.