脳卒中後の組織化した入院患者(脳卒中ユニット)のケア

Organised inpatient (stroke unit) care after stroke

Stroke Unit Trialists' Collaboration

最終更新日:17/03/1998


目的:脳卒中後の死亡の減少,依存性の減少,長期間の施設でのケアの必要性の減少について,組織化した入院ケア(脳卒中ユニット)の特徴をあきらかにし,その有効性を従来のケアと比較して判定すること.

検索方法:関連した試験がコクラン脳卒中グループの比較臨床試験特別レジスターの中に確認された.さらに,参考文献リストを探し,同業者と試験実施者に接触もした.

選択基準:組織化した入院ケア(脳卒中ユニット)とその時代の従来のケアを比較したすべてのランダム化もしくは準ランダム化試験.組織化した脳卒中ユニットでの処置には専従で脳卒中を管理した病棟やチーム(集中した脳卒中ユニット)のほかに,一般的なサービスを提供する病棟やチーム(評価とリハビリテーションが混ざったユニット)が含まれる.従来のケアはたいてい一般の内科病棟で提供された.

データ収集と解析:共同の研究レビューの方法は最大量の関連情報を得るのに使われた.我々はサービスの供給についての標準化した記述的情報を試験の論文中から手に入れた.

第一の分析は3つのアウトカムの初期の測定に焦点をあわせた:致死率の実状,身体的依存(Rankinスコアで修正して3-5に相当)そして長期間の施設でのケアを必要とすること.

第二の分析は病院や施設での滞在期間の長さとQOLのアウトカムの分析を加えて脳卒中患者の特定される前のサブグループと組織化したサービスを調べる.

主な結果:1997年10月に入手可能なデータをもつ18の試験が確認された.さらに評価待ちもしくはアウトカムデータがまだ入手できていない6つの試験が確認された.

組織化した入院ケア(脳卒中ユニット)は最終のレビュー(経過観察の中央値1年)に記録された死亡のオッズの減少(オッズ比 0.81 0.68-0.96 2p <0.05)に関連していた.最終のレビューにおいて死亡対施設への収容と死亡対依存性の有害的アウトカムと結びついたオッズ比はそれぞれ0.75 (0.65-0.87 2p <0.0001) と 0.71 (0.61-0.84 2p<0.0001)であった.これらの結果は処置の項目やアウトカムの記録のタイミングに依存していないし,ランダム割付けの方法が確かでない試験のデータに依存してもいない.

サブグループの分析では観察された利点と患者の年齢,性別,脳卒中の重症度,脳卒中単位の組織化の変化とは独立していることが示された.滞在期間の長さの結果は異なっており,しかし組織化した入院ケア(脳卒中ユニット)は入院中の系統的増加は示されなかった.

結論:組織化した入院ケア(脳卒中ユニット)が受けられた脳卒中患者は従来のケアを受けた患者より活動的で,非依存性で,脳卒中後の1年くらいは家で生活できそうである.明らかな利点は特別な患者のサブグループや脳卒中ユニットのケアのモデルに限定されなかった.病院や施設での滞在の長さの系統的な増加は観察されなかった.


Citation: Stroke Unit Trialists' Collaboration. Organised inpatient (stroke unit) care after stroke. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:大西優里/三瀬順一)