多毛や座瘡(アクネ)に対するスピロノラクトンとプラセボの比較あるいはスピロノラクトンとステロイド(経口避妊用ピルを含む)併用との比較

Spironolactone vs placebo or in combination with steroids (oral contraceptive pill included) for hirsutism and/or acne

Lee O, Farquhar C, Toomath R, Jepson R

最終更新日:01/05/1998


目的:このレビューの目的は女性の多毛と座瘡減少に対するスピロノラクトン単独,またはスピロノラクトンとステロイド(経口避妊用ピルを含む)併用による効果を評価することであった.

検索方法:スピロノラクトンとステロイド剤(経口避妊用ピルを含む)またはプラセボを比較した全ての公表されたランダム化比較試験を検索した.検索方法は,コクラン月経異常疾患グループによって考案された.すべてのアクセスできる電子媒体データベースを検索した.さらに関連したの試験のすべての文献リストを検索し,未公表の試験の詳細は製薬会社にコンタクトをとった.

選択基準:すべてランダム化比較試験である.女性の多毛や座瘡を減少させる目的で使われたもの.

スピロノラクトンとプラセボ

ステロイド(経口避妊用ピルを含む)

様々な投与量のスピロノラクトン

スピロノラクトン+ステロイド併用とステロイド単独使用

データ収集と解析:このレビューには4つの試験を採用し,7つの試験が除外された.他の2つの試験は評価中である.採用された試験はすべて規模が小さい(31例以下)ランダム化比較試験であった.1試験のみが座瘡を結果とした研究であり,残りの3試験は多毛を結果としていた.1試験がスピロノラクトンとプラセボとの比較研究であり,1試験はスピロノラクトン投与量の研究であり,1試験はスピロノラクトン単独使用とスピロノラクトン+デキサメタゾン併用を比較した.残りの試験は座瘡の治療に対するスピロノラクトンの局所療法であった.

主な結果の評価は以下のものが含まれた.

- 主観的観察

- FerrimanとGallweyの多毛スコア

- ホルモンと生化学的パラメータ

- 副作用

- 皮脂生成量測定

主な結果:すべての対象数は少なく,信頼区間は広かった.観察されたどの結果に対しても治療間で有意差はみられなかった.

結論:尋常性座瘡と多毛に対する治療効果は,こられの試験では小規模すぎて評価できなかった.今利用できる研究からは,臨床における価値を評価するのは困難である.


Citation: Lee O, Farquhar C, Toomath R, Jepson R. Spironolactone vs placebo or in combination with steroids (oral contraceptive pill included) for hirsutism and/or acne. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:水谷武夫/岡田慶子、岡田 隆)