妊娠中のルーチンで行う葉酸補充

Routine folate supplementation in pregnancy

Mahomed K

最終更新日:21/05/1997


目的:妊娠中のルーチンで行う葉酸補充の,あらかじめ決められた血液学的,また生化学的パラメータおよび妊娠予後に対する実質的な測定効果を評価する.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって開発された検索方法が使用された.

選択基準:妊婦に対してルーチンで行う葉酸補充の役割を評価した,基準にあった比較試験全てが適格.

データ収集と解析:出版された試験のデータが用いられた.主な著者には,明確にする点がある場合は連絡をとった.

主な結果:ルーチンで行う葉酸補充は,妊娠後期におけるヘモグロビン値の低い女性の割合を十分に減少させることはもちろん,血清と赤血球の葉酸レベルを上昇もしくは維持する.出生時の低体重の割合を減少させる可能性は別にしても,ルーチンに行う葉酸補充は,妊娠予後の他の実質的な基準に対する測定可能な効果はない.多くの結果判定は,1つの試験の結果が基準になっており,したがって慎重に解釈されるべきだ.

結論:現在の証拠は,ルーチンに行う葉酸補充の,ヘモグロビン値と葉酸値に対する有利な効果を明らかに立証している.母親と新生児の両方の妊娠予後について,有益か有害かの測定可能な効果に対する情報はほとんどない.


Citation: Mahomed K. Routine folate supplementation in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:大西優里/佐藤孝道)