妊娠初期のルーチンで行う超音波検査

Routine ultrasound in early pregnancy

Neilson JP

最終更新日:11/07/1998


目的:妊娠初期(すなわち24週以前)にルーチン(スクリーニング)で行う超音波検査が,特定の臨床的理由により選択的に超音波検査を行うのと比較して,アウトカムが改善するかどうかを評価する.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより維持・更新されている臨床試験のレジスター.

選択基準:妊娠初期にルーチンで行った超音波断層法に関する適切な比較試験,8つが確認された.

データ収集と解析:データは出版された業績から著者により抽出され,必要かつ可能な時は第一研究者から得た未出版のデータも補われた.

主な結果:ルーチンに行う超音波検査は多胎の早期発見と’過期’妊娠への分娩誘発率を減少させる結果になったが,実際の臨床的なアウトカムを改善するというエビデンスは得られなかった.胎児の異常を発見することが検査の特定の目的である所では,胎児異常による妊娠中絶の数は増加した.

結論:臨床医,医療関係者そして妊婦はこれらの結果により妊娠初期のルチーンで行う超音波検査の費用が正当化されるかどうかを決定する必要がある.


Citation: Neilson JP. Routine ultrasound in early pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:大野茂樹/鶴岡浩樹)