妊娠中の定期的なエアロビクス

Regular aerobic exercise during pregnancy

Kramer MS

最終更新日:29/04/1996


目的:健康な妊婦に定期的に(少なくとも週に2〜3回)エアロビクスを勧めることが,体調・分娩と出産の楽さまたは困難さ・妊娠経過と予後にどのように影響するかを評価する.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより維持・更新されている臨床試験のレジスター.

選択基準:指示されたエアロビクスの内容についてのすべての妥当な比較試験.

データ収集と解析:データは出版された報告から著者によって抽出された.

主な結果:1976年のErkkola・1983年の Collings・1990年の Carpenter のすべてが,運動群において体調の有意な改善を報告した.1988年にはSouth-Paul も統計学的に有意差はなかったが同様の結果を報告した一方,1981年のSibley による小規模な試験においては運動群では体調の良さの有意な増加はなかったと報告された.二つの小規模な試験では妊娠予後に対する有意差がない結果が報告されているが,極端に大きな影響がないことだけを認めたに過ぎなかった.おそらく一つの例外は妊娠期間であった.それに関しては,運動により妊娠期間は臨床的に重大なほど短縮しないという安心なデータがある.

結論:妊娠中の規則的な有酸素運動は体調の改善(または維持)するようである.残念なことに,母体と児に対する重大な危険性や有益性を除外するにはデータは不十分である.


Citation: Kramer MS. Regular aerobic exercise during pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:大西優里/佐藤孝道)